4月7日 取消訴訟⑦ 執行停止――処分の効力を一時的に止める制度

4月7日 取消訴訟⑦ 執行停止――処分の効力を一時的に止める制度




4月7日 取消訴訟⑦ 執行停止――「とりあえず止める」緊急手段


裁判には時間がかかります。もし「建物の撤去命令」が違法だとして裁判を戦っている最中に、建物が壊されてしまったら…? 後で勝訴しても取り返しがつきません。それを防ぐのが「執行停止(しっこうていし)」です。




1. 原則は「止まらない」

意外かもしれませんが、日本の法律では「執行不停止の原則」がとられています。つまり、裁判を始めても、役所の処分の効力や執行はそのまま進んでしまいます。これは、何でも止めてしまうと行政がストップして社会が混乱するからです。




2. 執行停止が認められる「厳しいハードル」

例外的にストップをかけるには、主に以下の条件を満たし、裁判所に申し立てる必要があります。



  • 重大な損害を避けるため緊急の必要がある: 建物が壊される、営業ができず倒産するなど、後からお金を払えば済むような話ではない深刻な状況であること。

  • 公共の福祉に重大な影響を及ぼさない: その処分を止めることで、世の中全体に大きな迷惑がかからないこと。

  • 本案について理由がないとはいえない: そもそも裁判自体に勝てる見込みがゼロではないこと。




判決までの「防波堤」

執行停止は、あくまで「最終的な判決が出るまでの暫定的な処置」です。しかし、これがあるおかげで、国民は安心して裁判を続けることができます。訴訟(本戦)を有利に進めるためにも、実務上極めて重要なステップと言えます。


📌 今日のまとめ



  • 執行不停止の原則: 裁判中でも処分の効力は進み続ける。

  • 執行停止: 「重大な損害」を防ぐための緊急的な一時ストップ措置。

  • 勝訴判決が出る前に取り返しがつかなくなることを防ぐのが目的!