今日からは、行政法の学習において避けては通れない重要テーマ「行政裁量(ぎょうせいさいりょう)」について学んでいきます。
行政裁量とは、一言で言えば「法律がすべてを細かく決めず、行政庁に判断の幅(

昨日は「違法性」について学びました。国が責任を負うためには、もう一つ主観的なハードルがあります。それが公務員の「故意(こい)」または「過失(かしつ)」です。公務員がどれだけ「うっかり」していたかが問われます。
国家賠償法での「過失」とは、簡単に言うと「その立場の公務員として当然払うべき注意を払わなかったこと」を指します。具体的には、以下の2点がポイントになります。
過失があるかどうかのハードル(注意義務の程度)は、行政活動の性質によって変わります。
高度な専門職(医師・建築確認など):
その道のプロとして、最新の知識に基づいた高い注意力が求められます。
緊迫した現場(警察・消防など):
一瞬の判断が求められる現場では、後から冷静に考えるのとは違う、現場の状況に即した基準で判断されます。
「違法なら過失もあるでしょ?」と思われがちですが、理屈の上では別物です。たとえば、法律の解釈が非常に難しく、最高裁でも意見が分かれるようなケースで、役所が誠実に判断した結果がたまたま違法になったとしても、そこに「過失(不注意)」まではないと判断されることもあります。
つまり、「一生懸命やって、やむを得ず間違えた」のであれば、国は賠償責任を免れる可能性があるのです。
📌 今日のまとめ