3月20日 行政裁量の統制⑩ まとめ――裁量と法の支配のバランスを考える

3月20日 行政裁量の統制⑩ まとめ――裁量と法の支配のバランスを考える




3月20日 行政上の強制執行① 行政代執行


昨日までは役所の「判断の自由(裁量)」をどうコントロールするかを学びました。今日からは、役所の命令を無視する困った人に対して、役所がどうやって実力行使をするのか?という行政上の強制執行について解説します!




1. 「代わりにやって、後で請求する」

行政代執行とは、義務者がやるべきことをやらない場合に、行政庁が自ら、あるいは第三者に頼んで代わりにやってしまうことです。そして、そのかかった費用は義務者からきっちり徴収します。
たとえば、「崩れそうな危ない空き家を壊しなさい」という命令を無視し続けている場合、役所が重機を持ってきて取り壊してしまうのがこれにあたります。




2. 何でもかんでも代執行できるわけじゃない

代執行ができるのは、以下の条件を満たす場合に限られます(行政代執行法2条)。



  • 代替的作為義務: 他の人が代わってできること(掃除、取り壊しなど)であること。「お詫びしなさい」といった、本人しかできないことには使えません。

  • 他の手段が困難: 他に解決する方法がないこと。

  • 放置が著しく公益に反する: そのままにしておくと、周りの人に迷惑や危険が及ぶこと。




手続きは慎重に!

いきなり重機で乗り込むことはできません。必ず「戒告(かいこく)」(○日までにやらないと代執行しますよ、という警告)と、「通知」(いつ、誰が、いくらで行くかを知らせる)というステップを踏む必要があります。
実力行使は強力なパワーなので、法律でガチガチに手続きが決められているんですね。


📌 今日のまとめ



  • 行政代執行: 代わりに役所がやり、費用を請求する実力行使。

  • 「代替的作為義務」(他人が代われる義務)のみが対象。

  • 戒告などの厳格な手続きが必要不可欠!