
1月10日。今日は民法の相続分野、特に「相続財産の分配構造」について学習しました。相続というと、親族間の複雑なやり取りを想像しがちですが、法律の視点で見ると驚くほど合理的で、「いかに手数を減らして公平に着地させるか」という設計思想が貫かれています。
1月4日に学んだ「相殺」の考え方が、ここでも息づいていることに気づけたのは大きな収穫でした。
相続が始まったとき、全ての財産を一度現金化して全員に配り直す……といった非効率なことはしません。民法が求めているのは、最終的な取り分が正しい数字(法的相続分)になることです。
例えば、生前に大きな援助を受けていた人がいる場合(特別受益)や、逆に介護などで貢献した人がいる場合(寄与分)などは、その分を計算上で調整します。図で見ると分かりやすいですが、形式的に全額を動かすのではなく、「すでに受け取った分を差し引く」「足りない分だけを動かす」という、まさに相殺と同じ「決済」の感覚です。
文章で「AはBにいくら、CはDにいくら……」と追いかけると、すぐに脳内の処理能力を超えてしまいます。しかし、図解の矢印を使うと、問題の核心がどこにあるかが一瞬でクリアになります。
「結局、この二人だけがやり取りすればいいんだな」という着地点が見えたとき、民法が目指している「取引コストの最小化」という哲学がストンと胸に落ちました。行政書士試験の計算問題でも、この「差分に注目する視点」があれば、ひっかけ問題に惑わされることはありません。
行政書士試験において、相続は記述式でも択一式でも非常に重要なウェイトを占めます。今日整理した「分配構造」を理解した上で、意識したいのは以下の点です。
| 注目ポイント | 試験での問われ方 |
|---|---|
| 持ち戻し計算 | 生前贈与を「なかったこと」にして全体を計算する手順。 |
| 具体的相続分 | 計算の結果、最終的にいくら受け取れるかという実数。 |
| 遺留分との関係 | 「最低限の取り分」を侵害された時の金銭請求(遺留分侵害額請求)。 |
相続は、感情的には泥沼になる可能性を秘めていますが、法律はそれを「数字の整理」として冷徹かつ公平に捌こうとします。
この「ドライな合理性」を身につけることが、行政書士試験突破、そして将来の実務でのトラブル解決に直結すると確信しました。明日は、この合理性がさらに試される「遺留分侵害額請求」の具体的な計算ステップに踏み込んでみたいと思います!