
今日は民法の中でも特に頭を使う範囲、「相殺」について集中的に学習しました。相殺は一見すると「差し引きゼロにする」というシンプルな制度に思えますが、深掘りすると自働債権・受働債権の区別や弁済期のルール、さらには差押えとの兼ね合いなど、パズルのような複雑さがあります。
今日はテキストと六法を行き来しながら、「今、誰が、どの立場で、どんな債権を持っているのか」を図で整理する作業を繰り返しました。この整理が、本試験で迷わないための唯一の道だと感じています。
相殺を理解する上で避けて通れないのが、自働債権と受働債権の整理です。ここを逆に覚えてしまうと、すべての結論がひっくり返ってしまいます。
相殺適状(相殺ができる状態)になるためには、双方が債権を持ち合っていることだけでなく、特に「自働債権の弁済期」が到来していることが必須です。受働債権については、期限の利益を放棄すればいいので必ずしも弁済期でなくても構わない、という理論のバランスが面白いところです。
次に整理したのは、不法行為が絡む場合の相殺禁止事由です。ここは「被害者保護」という民法の優しい(?)側面が見える分野ですね。
原則として、悪意による不法行為や、身体の侵害による損害賠償債権を受働債権とする相殺は禁止されています。もしこれを許してしまうと、加害者が「殴った損害賠償金は、あいつから貸してた金と相殺するから払わないよ」と言えてしまうことになり、非常に不公平だからです。
ただし、損害賠償債権を「自働債権」として相殺する場合は認められます。あくまで「被害者に現金を確実に受け取らせる」という趣旨を理解すれば、暗記しなくても結論が導き出せますね。
今日一番苦戦したのは、差押えが絡むケースです。第三債務者が、差押えを受けた後に取得した債権で相殺できるかどうかの問題です。
結論を左右するのは、「差押え」と「自働債権の取得」の時系列です。
特に「差押え後に取得した債権であっても、その原因が差押え前から生じていた場合」など、例外規定がさらにややこしさを増しています。ここは図を描いて、「この時点で債権が生まれた」「ここで差押えが来た」と時系列を一本の線に落とし込むことで、ようやく納得できました。
相殺の学習を通して痛感したのは、「暗記では絶対に太刀打ちできない」ということです。
この3つの手順を踏まずに焦って条文に当てはめようとすると、必ずどこかで足元をすくわれます。逆に、図を丁寧に描いて構造さえ見えてしまえば、一気に霧が晴れるような感覚がある分野でもあります。
まだ完璧に使いこなせるレベルではありませんが、「なぜこの場合は相殺できないのか」を論理的に説明できるくらいには整理が進みました。明日は過去問を解きまくって、この「感覚」を「確信」に変えていきたいと思います!