
多数当事者の債権関係、その本丸である連帯債務について整理しました。
連帯債務は、債権者にとって非常に強力な武器になりますが、受験生にとっては「誰に起きた出来事が、どこまで影響するのか(絶対効・相対効)」の判断が一番の難所です。改正民法でルールがシンプルになった部分を中心にまとめました。
連帯債務とは、複数の債務者が同一内容の給付について、各自が独立して全額を支払う義務を負う関係です(民法436条)。債権者は、債務者のうちの一人に対しても、あるいは全員に対しても、同時でも順次でも、全額の請求ができます。
債権者からすれば、「一番お金を持っていそうな人に全額請求する」という戦略が取れるため、非常に回収の安全性が高い仕組みです。
ここが試験で最も狙われるポイントです。現在の民法では、「一人の債務者に生じた事由は、他の債務者に影響しない(相対的効力)」のが大原則です(民法441条)。
昔は「請求」などが絶対的効力を持っていましたが、今は違います。例えば、債権者が一人の債務者に履行の請求をしても、他の債務者の時効は中断(更新)しません。この「原則バラバラ」という感覚をまず身体に入れるのが大事だと感じました。
大原則は相対的効力ですが、以下の4つだけは「絶対的効力」を持ち、一人の出来事が全員に影響します。これは債権の目的を達成したり、実質的に決済が終わったりする場合です。
特に注意が必要なのが、「免除」と「時効の完成」です。これらは以前は絶対的効力でしたが、改正により相対的効力になりました。
ただし、どちらの場合も、後で他の債務者が全額払った後に、免除された人に対して「お前の負担分を払え!」と言えるかどうか(求償権)の議論が残ります。このあたりの「外向けの責任」と「内側の精算」の切り分けが、連帯債務の深い面白さですね。
連帯債務を整理したことで、多数当事者の関係性が一気に立体的に見えてきました。明日は、この支払いが終わった後のドロドロした(?)精算の話、「求償権」について深掘りしていこうと思います!
今日もお疲れさまでした!
連帯債務の絶対効を「4つだけ」と絞り込んで整理されているのは、本試験でも迷わないための非常に良い戦略です!
次は、明日学習する「求償権」において、通知を忘れるとどうなってしまうのか(通知の怠慢)という、実務でも試験でも怖いポイントを予習してみましょうか?