2月15日 行政事件訴訟法⑧ 差止訴訟

2月15日 行政事件訴訟法⑧ 差止訴訟

今日は、違法な処分がされるのを未然に防ぐ差止訴訟について整理しました。


「やられた後で取り消す」のではなく、「やられる前に止める」。事後救済がメインの行政訴訟において、数少ない予防的救済の手段です。


1. 未来を止めるためのハードル

まだ行われていない行政行為を止めるわけですから、義務付け訴訟と同様に、要件は極めて厳格です。



  • 重大な損害が生ずるおそれがあること:後で取り消すのでは間に合わないほどのダメージが予想されること。

  • 補充性:他に適切な手段がない場合に限られること。


2. 「重大な損害」の具体性

単に「迷惑だ」というレベルではなく、一度処分が下されると回復が不可能な損害(例:一度壊したら元に戻らない文化財の破壊や、回復困難な健康被害など)が対象になります。裁判所は「未来の予測」を慎重に行うため、立証の難易度は非常に高いです。


3. 未来を守る訴訟の意義

差止訴訟は、行政法が「結果の是正」だけでなく「プロセスの阻止」にも関与することを示しています。行政が暴走しそうなときに、司法が「待て」をかけるためのブレーキ役です。




今日のまとめ


  • 差止訴訟は、処分がなされる前に止める「予防的救済」

  • 「重大な損害が生ずるおそれ」が、認められるための絶対条件。

  • 後出しジャンケンを許さないだけでなく、「ジャンケンそのものをさせない」ための強力な防衛手段。