1月2日 「夫の物は夫の物、妻の物は妻の物」?――夫婦のお金と法律のリアル

1月2日 「夫の物は夫の物、妻の物は妻の物」?――夫婦のお金と法律のリアル

💰「夫の物は夫の物、妻の物は妻の物」?夫婦のサイフと法律の絶妙なバランス


1月4日。新年早々ですが、今日は大学の講義資料をもとに、婚姻の財産的効果、いわゆる「夫婦財産制」について整理しました。


「お金の話」は、円満なときは意識されませんが、いざトラブル(別居や離婚)になると真っ先に問題になる非常にシビアな分野です。行政書士試験の民法でも、「婚姻費用」「日常家事債務」は超頻出論点。今日は「個人主義」と「生活共同体」という2つの視点から、その仕組みを紐解いてみました。




1.日本の原則は「夫婦別産制」(民法762条)


まず押さえるべきは、日本の法定財産制は「夫婦別産制」が基本であるということです。婚姻前から持っている財産はもちろん、婚姻中に自分の名前で得た財産(給料や相続など)は、それぞれの「特有財産」となります。



  • 原則:自分の稼ぎは自分のもの。

  • 例外:どちらのものか不明な場合は「共有」と推定される。




これはいわば「個人主義」的な考え方ですが、講義で指摘された「家事労働(アンペイドワーク)が評価されにくい」という問題点は非常に重要だと感じました。専業主婦(主夫)の貢献をどう財産に反映させるか。この視点は、離婚時の「財産分与」を学ぶ際にも欠かせないキーワードになりますね。




2.離れていても義務は消えない「婚姻費用分担」(民法760条)


別産制であっても、夫婦である以上、生活レベルを同じにする義務があります。それが婚姻費用(コンヒ)の分担義務です。食費、住居費、子の養育費など、家庭を維持するための費用を、お互いの収入などに応じて出し合います。


実務で特に揉めるのが「別居中」のケースです。


ポイント:

婚姻費用の分担義務は、離婚が成立するまで消滅しない。


たとえ一方が勝手に家を出て不倫相手と暮らし始めたとしても、離婚していない以上、残された家族の生活を支える義務は続きます(※有責配偶者からの請求には制限がかかることもあります)。裁判所が公開している「算定表」で目安が決まっている点など、非常に実務的な仕組みを学びました。






3.第三者を守るための「日常家事債務の連帯責任」(民法761条)


最後は、夫婦が共同生活を送るうえで負った借金の話です。一方が「スーパーで夕飯の食材を買った」といった日常の家事に関する行為をした場合、その代金はもう一方も連帯して責任を負うというルールがあります。


ここで議論になるのが、「どこまでが日常の家事か?」という範囲の問題です。



  • ケース1:100万円の高額な英会話教材の購入。

  • ケース2:200万円にのぼる娘の結婚式の援助。




判例では、その夫婦の社会的地位、職業、資産、収入、そしてその地域の慣習などを考慮して客観的に判断されます。何でもかんでも「夫婦だから払え」となるわけではなく、取引相手の信頼と、相手方の財産の保護、この天秤のバランスが非常に面白いと感じました。




💡 今日の学びのまとめ


「夫婦は一つ」という理想と、「個人の財産は別」という現実。民法はこの間を、非常に巧妙な条文で調整していることが分かりました。



  • 財布は別(762条)だが、生活費は助け合う(760条)

  • 家事の借金は連帯(761条)するが、範囲は客観的に決まる


行政書士試験の事例問題では、「この買い物は日常家事にあたるか?」「別居中の妻は婚姻費用をいくら請求できるか?」といった形で問われます。条文を暗記するだけでなく、講義で扱ったような具体的なケーススタディを思い出しながら、知識を血肉にしていきたいです。


次は、この流れで婚姻の解消、つまり「離婚」による財産分与や親権の仕組みを整理しましょうか?